弁護士ブログ

2015.07.30更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 ロシア・カザンで開催されている『第16回FINA世界水泳選手権大会』の熱戦が連日報道されています。とくに,注目すべきは,女子シンクロナイズドスイミングの快進撃が話題となっています(これから競泳がメインとなります。これまた楽しみです。)。

 乾友紀子選手・三井梨紗子選手のデュエットの銅メダルにつづき,チームのテクニカルルーティンでも銅メダルを獲得しました。11年ぶりに日本代表ヘッドコーチに復帰された井村雅代さん(以下「井村HC」といいます。)は,やはり「名伯楽」ですね。

 

 井村HCといえば,いわゆるスパルタ指導が強調されがちですが,当職はそうは思いません。頭ごなしに指導しているように見えて,実は押したり引いたりしているように見えます。硬軟使い分けている指導ですし,その指導は卓越した戦略眼と透徹した戦術にしっかりと裏付けられています。何よりも目的がはっきりしているし,具体的です。しかも臨機応変,自由自在です。当職は単なる精神論ではないと思いますし,かなり矮小化して報道されているように思います。

 井村HCは,選手を追い詰めていると思ったら,パッと救いの手を差し伸べています。そうでなければ,その選手をつぶしてしまうことを知っているからです。

 

 当職は,あらゆるスポーツの中でも『野球』が一番好きです。中学3年間と高校2年の途中まで野球部に所属していました。ほとんどベンチウォーマーでしたが(自分で言うのも何ですが,意外性のあるバッターでした。),今にして思えば,プレイヤーではなく戦略や戦術を授けられる軍師的なマネージャーのほうが向いていたように思います。

 当時は,いわゆる『精神論』全盛期。意味もなく訳もなく練習中に水を飲むことは禁じられていましたし,うさぎ跳びに代表される身体に有害な練習も平然と行われていました(先輩によるいじめもありましたね。)。その反動からか『精神論』はダメということとなり,『技術論』が主流となりました(テキサスレンジャーズのダルビッシュ有投手などは,技術第一主義で『精神論』を一切排除していますね。ダルビッシュ選手は強靭な精神をもっていますから,あえて『精神論』を意識することもないというのが真実かなと勝手に思っています。)。

 しかし,いずれも極端であると思います。当職は,素朴にいいとこ取りでいいではないかと考えます。とくに,コーチ業に携わる方(当職のような弁護士にもその要素が必要であると痛感します。当職もコーチングを自主的に学んでいます。)をする側はその方がいいと思います。

 

 「戦いに勝つのは,必ず勝とうと堅く決心した者だ」,「勝負の決しがたい場合には,常に根気の強い方が勝利者であります」(トルストイ著『戦争と平和』(米川正夫訳)より引用)。

 これらの言葉は,太平洋戦争(大東亜戦争)の大日本帝国の陸海軍に見られたような無謀,合理性を無視した『精神論』ではありません。あらゆる戦い(仕事上の法廷闘争や日常の生活も含みます。)において,最終的に勝利を決しゆく要諦となるものは,チーム全員(当職の仕事でいえば,依頼者,事務局その他関係者といえます。)がある目的のもとに,心を一つに結束できるような拠りどころが確固なものとして存在するかどうかなのです。これを「士気」と呼んでもいいかもしれません。

 井村HCという中心者のもとに,チームが結束して,メダルを奪還することができたのは,このように微妙にして決定的な役割を演じた「士気」の高さによるものといえるでしょう。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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