弁護士ブログ

2015.08.07更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

1 「人身事故証明書入手不能理由書」とは?

 

 この書類は,読んで字のごとく「人身事故の交通事故証明書を入手できない理由を書いた書類」のことです。比較的軽度な自動車事故においては,事故発生後110番通報をし,警察に現場確認をしてもらったとしても,大抵「物損事故」として処理をされてしまいます。

 しかし,後日むち打ち症などを発症した場合は,事実上「人身事故」となります。

 ただし,記録上は「物損事故」として処理がされているため,このままでは自賠責保険の適用が受けられません。

 

 そこで登場するのが,上記「人身事故証明書入手不能理由書」です。後日むち打ち症などを発症したような状況に陥りますと,加害者側の任意保険会社からこの書類が送られてきます。そこに必要事項を記載して申請することにより,自賠責保険の適用を受ける,というような流れとなります。

 なお,申請の際,物損事故扱いの「交通事故証明書」も必要となりますので,お忘れなく。

 

 

2 さて,この人身事故証明書入手不能理由書を利用する際には,必ず覚えておいて欲しいことがあります。

 

■「あくまで『理由書』であり,『証明書』ではない」というリスク

 

 「交通事故証明書」と「人身事故証明書入手不能理由書」の大きな違いは,その証拠能力です。人身事故としての交通事故証明書があれば,それ自体で人身事故があったという証明は足りるため,自賠責保険から保険金が支払われます。

 

 しかし,「人身事故証明書入手不能理由書」は,あくまでも人身事故による交通事故証明書を入手できない理由を書いた自己申告書類なのです。ということは,その気になれば嘘を書くこともできてしまうのです。

 

 そのため,必ずしも保険会社がそれを鵜呑みにしてくれるとは限らないのです。これが,みんなが忘れているリスクです。

 

■可能な限り「警察署で人身事故へ切り替えること」が最優先!

 

 交通事故後,1週間から10日以内程度であれば,医師の診断書を書いてもらい警察署で手続をすれば,物損事故から人身事故に切り替えを行なうことができるでしょう。

 

 そうすれば,「人身事故証明書入手不能理由書」よりも確実な「人身事故の交通事故証明書」が入手できますので安心です。

 

 警察は,人身事故への切り替えを嫌がるため,「人身事故証明書入手不能理由書」の利用を勧めてくる場合がありますが,より確実に自賠責保険から補償を受けるためには,やはり人身事故としての事故証明の入手が第一優先です。「人身事故証明書入手不能理由書」はあくまでも「入手不能」な場合に限り利用すべきなのです。

 

■「人身事故証明書入手不能理由書」には何を書くの?

 

 「人身事故証明書入手不能理由書」には,加害者,被害者の氏名や住所といった基本的な情報はもちろん記載しますが,ポイントとなるのは入手できない「理由」についてです。もちろん嘘は許されません。交通事故後しばらくしてから症状が発症した等の理由であれば,理由が認められる可能性も高いでしょう。

 

■物損から人身に切り替えたい

 

 そういった相談があれば,早めに弁護士濵門俊也にご相談ください。非協力な加害者,保険会社を動かすには,弁護士の力を借りるのが早いです。また,慰謝料・示談金の請求でも増額の期待がもたれます。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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