弁護士ブログ

2015.10.19更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 今年も最低賃金が改定される時期となりました。ちなみに,東京都の地域別最低賃金は,「時間額907円」となり,効力発生日は平成27年10月1日となっております。

 今回は,「最低賃金制度」について解説したいと思います。

 

●最低賃金制度とは?

 最低賃金制度とは,最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め,使用者は,その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。

 かりに,最低賃金額より低い賃金を労働者・使用者双方の合意の上で定めても,それは法律によって無効とされ,最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。

 したがって,最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には,最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。また,地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には,最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ,特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には,労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

 【参考条文】

 最低賃金法第4条第1項

 使用者は,最低賃金の適用を受ける労働者に対し,その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。

 同法同条第2項

 最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金に達しない賃金を定めるものは,その部分については無効とする。この場合において,無効となった部分は,最低賃金と同様の定をしたものとみなす。

 

 労働基準法第24条第1項

 賃金は,通貨で,直接労働者に,その全額を支払わなければならない。ただし,法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては,通貨以外のもので支払い,また,法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合,労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては,賃金の一部を控除して支払うことができる。

 

●最低賃金の種類

 最低賃金には,地域別最低賃金と特定最低賃金の2種類があります。

 ① 地域別最低賃金

 地域別最低賃金は,産業や職種にかかわりなく,都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金として,各都道府県に1つずつ,全部で47件の最低賃金が定められています。

 なお,地域別最低賃金は,[ア] 労働者の生計費,[イ] 労働者の賃金,[ウ] 通常の事業の賃金支払能力を総合的に勘案して定めるものとされており,労働者の生計費を考慮するに当たっては,労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう,生活保護に係る施策との整合性に配慮することとされています。

 ②特定最低賃金

 特定最低賃金は,特定の産業について設定されている最低賃金です。関係労使の申出に基づき最低賃金審議会の調査審議を経て,同審議会が地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めた産業について設定されています。全国で242件(平成25年4月12日現在)の最低賃金が定められています。この242件のうち,241件は各都道府県内の特定の産業について決定されており,1件は全国単位で決められています(全国非金属鉱業最低賃金)。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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