弁護士ブログ

2016.02.29更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 連載19年をほこる,国民的大人気漫画「ONE PIECE」。原作者は,当職と同じく熊本県熊本市出身の尾田栄一郎先生です(同郷のよしみで何とかお会いできないかといつも軽い妄想を抱いています。)。原作単行本を読んだり,毎週日曜日に絶賛放送中のアニメーションも視聴しております。

 今日は4年に一度の2月29日なので,何とか記事を書きたいなと思っていましたところ,「ONE PIECE」に関連して,なんと描き下ろしイラスト入りの婚姻届が登場したとのニュース報道に接しました。

 

 報道によりますと,デザイン婚姻届を販売している通販サイト「婚姻届製作所」が,2月に発売したとのことです。ルフィやゾロ,サンジなど,正装した主要キャラクターの描き下ろしイラストが,余白に大きくあしらわれています。主要キャラが集まった「麦わらの一味」に加え,キャラごとに全10種類が,税込み3000円で販売されているとのことでした。

 販売する「株式会社e'motion」(東京都新宿区)の担当者のお話によりますと,「原作でルフィが『宴だー!』と叫ぶ有名なシーンがあります。大勢のキャラが集まった,その場面の幸せ感,お祝い感を婚姻届で表現したいと考えました。男女問わずファンが多いことも,採用の理由です」と販売の経緯について,述べておられました。

 記事では,「ONE PIECE」に恋愛要素が少ないことに触れられていましたが,現在進行形の恋愛が少ないだけであり,数多くの恋愛模様(しかもそれぞれが美しく儚いですね。印象に残ります。)が描かれていると当職は思います。

 

 上記報道に接したので,「婚姻届の秘密」に関する豆知識を披露します。わが国年間で約67万件(平成24年度)提出されている婚姻届ですが,あまり知られていない意外な事実があります。それがつぎの3点です。

 ① 自分の住民票がある役所以外でも提出ができる

 ② 婚姻届を発行してもらった役場以外で提出も可能

 ③ (届出書のフォーマットを守れば)ある程度デザインが可能

 

 そうしますと,婚姻届はご夫婦となろうとする方々にとって,縁もゆかりもない土地,たとえば初めて新婚旅行で訪れた土地の役所に立ち寄って提出することもできるということです。自分が住んでいる市区町村役場でないとダメ,という決まりはないわけです。

 また,全国どこの役所でも婚姻届のフォーマットは統一されていますから,(甲県)乙市で受け取った婚姻届を(丙県)丁市の役所に提出することも可能とされています。

 そして,所定のフォーマットを崩さなければ婚姻届のデザインを変更することも可能とのことです(例えば,結婚情報雑誌の付録にあるような枠の色をピンクにした婚姻届も通用します。上記報道の記入欄外にキャラクターの絵を配置するなどの婚姻届も使えるわけです。)。

 

 通常,窓口に提出すれば二度と返ってこない婚姻届ですが,意外な点に目をつけた自治体や企業が地元発信や観光促進・キャンペーンのためにアイデアを凝らした婚姻届を作成し提供しているそうです。まさに「地方創生」の智慧ですね。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.02.22更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 一時期に比べますと事件としては減少していますが,まったくなくなるわけではない分野として,いわゆる「クレサラ問題」があります。最近も自己破産申立事件の相談を数件受け,受任しましたし,破産管財人として選任されている事件もあります。

 自己破産申立事件においてとくに注意しなければならない問題は,いわゆる免責不許可事由がある事案です。主に浪費やギャンブル等によって借金をしてしまい,支払不能に陥ってしまいましたという事案です。そこで,今回は「免責不許可事由と裁量免責」について,説明します。

 

●浪費等をした場合には免責不許可事由に該当する

 破産法第252条第1項第2項は,つぎのように定めています。

 破産法第252条

 第1項 裁判所は破産者について,次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には,免責許可の決定をする。

 1~3号 略

 4号 浪費又は賭博その他の射倖行為をしたことによって著しく財産を減少させ,又は過大な債務を負担したこと

 5号~11号 略

 第2項 前項に規定にかかわらず,裁判所が相当と認めるときは,免責許可の決定をすることができる。

 

 ブランド品の購入,贅沢な飲食や旅行,競馬やパチンコなどのギャンブルなどに限らず,要するに,収入に不相応な支出をしたことが,破産法第252条第1項の「浪費又は賭博その他の射倖行為」に当たります。もっとも,単に不相応な支出をしただけでは免責不許可事由とはなりません。このような出費をした結果,その人の財産が「著しく」減少したり,「過大な」借金ができたりした場合にはじめて,免責不許可事由となります。

 

●「裁量免責」の可能性

 もちろん,免責不許可事由に該当するからといって,一切免責が認められないというわけではありません。かりに免責不許可事由に該当した場合でも,裁判所が相当と認めれば,免責は受けられます(第2項)。これを「裁量免責」といいます。どのような場合に相当と認められるのかは,事案によりますが,たとえば,つぎのような点が考えられます。

・無駄遣いを止め,その原因を排除していること

・無駄遣いには病的な原因が考えられるが(ギャンブル依存,買い物依存など),既にこれを克服していること

・消費者被害の可能性があること(マルチ商法,内職商法など)

・借金の大半については合理的な理由があること

・破産申立てに至ったことについてやむを得ない事情があること

・今後,経済的更生ができる具体的な見込みがあること

・債権者が免責に反対していないこと

・家計簿をつけるなどして,家計を改善していること(*)

・反省文を提出していること(*)

・按分弁済をしていること(*)

 *これらは,裁判所から,免責を認める条件として実行を指示されることがあります。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.02.19更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 法務省は,昨日平成28年2月18日の自民党法務部会において,①現在は「6か月」(180日)とされている女性の再婚禁止期間を「100日間」に改めるとともに,②離婚時に妊娠していなければ直ちに再婚を認める民法改正案の概要を明らかにしたそうです。

 後述するように,①の改正案は最高裁大法廷判決に沿ったものであり,予想通り極めて妥当であるといえますが,②の改正案は,最高裁大法廷判決よりさらに突っ込んだ内容となっており,「やるな,法務省」といった印象を受けます。

 

 もともと,再婚禁止の期間は,離婚した女性が産む子どもの父親が誰かを明確にするため,明治31年(1898年)に規定されたものを現行民法第733条が引き継いだ規定だったのですが,今回の改正案は,医学の進歩などを考慮して大幅に見直すことになったといえます。

 

 法務省は,現在行われている通常国会で,民法改正を目指し,3月には国会に法案を提出する予定だそうです。

 以前本ブログでも書きましたが,法務省はすでに運用を変更しています。

 最高裁大法廷は,昨年平成27年12月,女性の再婚禁止期間を定めている民法第733条第1項について,再婚までの期間が100日あれば,①離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子,②婚姻後200日後の子は現夫の子――ということとなり,嫡出推定が重ならないことから,100日を超える期間は「過剰な制約」であるとして,違憲と判断しました。この最高裁大法廷の違憲判決を受け,法務省は,離婚後100日を経過していれば婚姻届を受理するよう,全国の市区町村に対し,通知しています。

 

 このニュース報道は,日本国憲法の定める権力分立規定が健全に作用したことを裏付けています。これに対し,議員定数削減問題は,なかなか進展がありません。わずか10議席を削減することもできずにいるようです。主権者である国民は,心して政治を監視しなければなりません。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.02.16更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 当職は,最近離婚調停や訴訟の案件が増えておりまして,先日ある事件に関し,テレビジョン放送でコメントを求められた際,「離婚問題に詳しい濵門俊也弁護士によれば…」などと紹介されておりました。日に日に新たに精進する毎日であります。

 先日ある調停事件に臨みましたところ,裁判官を含めた調停委員会から「本調停は『なさず』で終了させることもご検討ください」と言われました。これに対しては,「当方は誠実に応対しているのであるから,『なさず』との措置は承服できない」と回答しました。

 なかなか「なさず」とは聞きませんから,渋いなと唸りました。そこで,今回は,「調停事件の終了事由」について概説します。

 

 調停事件は,一定の事由が生じますと,以後,調停手続として調停をつづけることができなくなります。この場合,事件が係属していた家庭裁判所の手から離れることとなります。このことを「事件の終了」といいます。

 調停事件の終了事由としては,つぎの7つがあります。

 ① 「成立」(その調停について,当事者間で合意ができた)

 ② 「不成立」(当事者間に合意が成立する見込みがなくなった)

 ③ 「なさず」(裁判所としては,その事件を取り扱わないこととする)

 ④ 「取下げ」(調停の申立人が申立てそのものを取り下げてしまった)

 ⑤ 「当然終了」(調停の当事者が死亡した)

 ⑥ 「移送」「回付」(その事件を他の家庭裁判所の取扱いとする)

 ⑦ 「調停に代わる審判」(裁判所が審判で解決案を提示する)

 

 先ほど述べました「なさず」という終了事由は,調停をしない措置のことであり,家事事件手続法第271条に規定があります。

 すなわち,家事事件手続法第271条には,「調停委員会は,事件が性質上調停を行うのに適当でないと認めるとき,又は当事者が不当な目的でみだりに調停の申立てをしたと認めるときは,調停をしないものとして,家事調停事件を終了させることができる。」と規定されています。

 「事件が性質上調停を行うのに適当でないと認めるとき」とは,求めている調停の内容自体が法律や社会正義に反する場合,たとえば,不貞関係を継続することや認知しないことを条件に一定の金銭の支払をするなどを意味します。

 「当事者が不当な目的でみだりに調停の申立てをしたと認めるとき」とは,当事者双方が無断で調停期日に欠席を繰り返す場合や調停制度の趣旨に沿った利用をする意思がないことが明らかな場合です。

 「なさず」という終了事由は,いわば調停委員会が調停を行うことは適当でないとして,これを拒否することです。その意味において,かなり厳しい内容といえます。

 「なさず」という調停をしない措置は,裁判ではありません。よって,これに対する不服申立てはできません。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.02.10更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 神奈川県川崎市の多摩川河川敷で昨年平成27年2月,当時中学1年生であった被害者の男子生徒(当時13歳)を仲間2人と共謀して殺害したとして,殺人罪などに問われたリーダー格の無職少年(19)=事件当時18歳=の裁判員裁判の判決で,横浜地方裁判所(近藤宏子裁判長)は10日午後3時30分,懲役9年以上13年以下を言い渡したとのニュース報道がありました。

 

 被告人の少年に対し,検察側は平成26年(2014年)の少年法改正で不定期刑の上限となった懲役10年以上15年以下を求刑していました(検察側は無期懲役を求刑しなかったのです。)。他方,弁護側は改正前の上限と同じ懲役5年以上10年以下を求めていました。結論としては,現行法のほぼ上限の不定期刑が下されましたので,本件の刑事責任の重さがうかがい知れます。

 不定期刑という言葉は,あまり聞きなれないかもしれません。少年法に規定されている不定期刑は,「相対的不定期刑」といわれるものです。「相対的不定期刑」とは,自由刑のうち,刑期の最短・最長を定めて刑を宣告するものです。実際の刑期は個々の事案に基づいて判断され,判決の時点では明確な期間は定められていません。不定期刑の一種で,対語に「絶対的不定期刑」がありますが,これは罪刑法定主義に反するとされています。

 相対的不定期刑は,日本では,「少年に科す刑罰」のひとつです。

 

 かくいう当職も先週から裁判員裁判を担当しており,今週金曜日午後に予定されている判決期日を残すのみとなっています。当職が裁判員裁判を担当するのは,今回が10件目であり,実に2年ぶりにやったのですが,やはりハードでした。連日法廷も準備もかなり神経を使いました。

 当職個人としては,弁護士しか弁護人を務めることができない刑事事件は好きなほうですが,弁護人としてのスキルがまだまだ足りないなと反省する日々です。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

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