弁護士ブログ

2015.12.02更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 12月4日から10日までは,「人権週間」です。

 これは1948年(昭和23年)12月10日,国際連合総会において「世界人権宣言」が採択されたのを記念し,我が国では1949年(昭和24年)から毎年12月4日から10日までを「人権週間」と定め,人権を尊重する考えを普及し,高揚させるための啓発活動が全国各地で実施されています。

 

 「世界人権宣言」ですが,英語での呼称は"World Human-Right Manifest"ではなく,"The Universal Declaration of Human Rights"となっています。すなわち,「人権の普遍的宣言」です。

 この呼称からは,すべての国,地域に適用されるという”普遍性”-地球上のいずこにあっても,空間的な限定がないという点が強調されているといえるでしょう。言い換えれば,人権には「空間的普遍性」があるということです。

 この精神は世界人権宣言第2条に体現されています。

 

 世界人権宣言第2条

1 すべて人は,人種,皮膚の色,性,言語,宗教,政治上その他の意見,国民的若しくは社会的出身,財産,門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく,この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。

2 さらに,個人の属する国又は地域が独立国であると,信託統治地域であると,非自治地域であると,又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず,その国又は地域の政治上,管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない。

 

 人権闘争の歴史は,近代以降に限った話ではありません。「人権」と呼ばれる(意識される)以前からの悠久の歴史があります。係る人権闘争史の潮流から見るとき,「世界人権宣言」はわずか30条にすぎませんが,人類誕生以来の「根源的な具体的人権」が規定されているように思います。

 たしかに,「世界人権宣言」といっても,いまだ現時点においては単なる希望や決意にすぎないともいえます。現在も戦争や紛争は絶えませんし,「世界人権宣言」は気休めにもならないという諦観もあるかもしれません。

 しかし,中国の秀句に「浅きを去りて深きに就くは丈夫の心なり」という箴言があります。すなわち「人間は得てして浅はかな考えに固執してしまいがちとなり,より真理へと近づくような深い考えには抵抗してしまう。自身の内なる心理的な抵抗や恐怖,先入感等を克服し,それまでのちっぽけな自分の考えに挑戦しつつ,進取かつ柔軟な思考を深めようとする人間こそ真の勇者である」という意味です。達成しがたい頂点かもしれませんが,私たちはいまを生きる人間のために,また未来の人間のために,その宣言の完全かつ正当な履行を獲得する不断の努力を惜しんではならないのです。「世界人権宣言」には,「時間的普遍性」を持たせなければなりません。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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