弁護士ブログ

2015.09.01更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 本日裁判所に行きますと,防災訓練が実施されておりました。裁判官と話をする際に放送が流れたりしますと,なかなか聞きづらくて困りました。しかし,本日は,ありとあらゆる自然災害を避けることができない日本という国土に住む我々にとっては,極めて重要な日です。そうです。本日は,「防災の日」です。

 

 「防災の日」は,昭和35年(1960)年6月11日,内閣の閣議了解によって制定されました。「政府,地方公共団体等関係諸機関をはじめ,広く国民が台風高潮,津波,地震等の災害についての認識を深め,これに対処する心構えを準備する」こととし,毎年9月1日を中心として「防災思想の普及,功労者の表彰,防災訓練等これにふさわしい行事」が実施されます。また,「防災の日」を含む1週間を防災週間として,様々な催しが行われます。

 

 9月1日の日付は,大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災にちなんだものです。

 大正12年(1923年)年9月1日午前11時58分,震度7(マグニチュード7.9)の大地震が関東地方を襲い,死者・行方不明合わせて10万5千余名の尊い人命が失われました。

 関東大震災については,震災後の混乱に乗じて社会主義や自由主義の指導者を殺害しようとする動きがありました。また,朝鮮人による凶悪犯罪や暴動が行われているなどのデマが行政機関や新聞,民衆を通じて広まり,民衆,警察,軍によって朝鮮人,またそれと間違われた中国人,日本人(聾唖者など)が殺傷されるという被害が発生したりもしました(ヘイトスピーチもその背景にあったようです。)

 

 また,例年8月31日,9月1日付近は,台風の襲来が多いとされる「二百十日」にあたり,「災害への備えを怠らないように」との戒めも込められています。

 制定前年の昭和34年(1959年)9月26日,「伊勢湾台風」によって,戦後最大の被害(全半壊・流失家屋約15万戸,浸水家屋約36万戸,死者約5,000人,行方不明約400人,傷者約4万人)を被ったことが契機となっています。

 

 ところで,「防災」とは,どんな言葉の意味があるのでしょうか。

 『広辞苑[第六版]』(岩波書店)には,「災害を防止すること。」と記載されていますが,災害対策基本法では,「災害を未然に防止し,災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ,及び災害の復旧を図ることをいう。」(同法第2条第2号)と定義しています。

 ちなみに,『広辞苑』に「防災」という語が掲載されたのは,昭和44年(1969年)5月発刊の第二版第一刷からで,昭和30年(1950年)5月に発刊された初版本には載っていません。「防災意識」の高まりが『広辞苑』に掲載される語に影響を及ぼした証左といえるでしょう。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.08.29更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 東京は,今週一気に涼しくなりました。

 また,私事ですが,一つ歳を取りました。その意味で,8月は当職にとって,「誕生」と「決意」の月なのです。

 さて,今週実に心温まるニュースが飛び込んできました。「学校が死ぬほどつらい子は図書館へ」と神奈川県の鎌倉市立図書館が,8月26日,ツイートしたことに対し,大反響となっているようです。これは,中央図書館の女性司書によるものであり,感動したという好意的な声が数多く寄せられています(当職もその一人です。最近物騒なニュースが多かったので,一段と感動が増しました。)。

 内容は,つぎのとおりです。

 

【以下引用始め】

 もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は,学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら,逃げ場所に図書館も思い出してね。

【以上引用終わり】

 

 ツイートした女性司書の方も明らかにされていますが,もともとは,米国の図書館のポスターにあります。

 そのポスターには,ピストルを自分の頭に突きつけている男の人と,その周囲に本がたくさん積まれている絵が描いてあり,その絵の下につぎの文章が書いてあります。

 

【以下引用始め】

 IF YOU FEEL LIKE SHOOTING YOURSELF DON'T. COME TO THE LIBRARY FOR HELP INSTEAD.

 We have guides, aids, bibliographies, and librarians to help you with your library research problems.

【以上引用終わり】

 

【日本語訳】

 もし自殺したいと思っているならば,おやめなさい。そのかわりに図書館へいらっしゃい。

 図書館には,案内書,手引き,参考図書があるし,また困ったら図書館での検索をお手伝いする図書館員もいますよ。

 

 上記で引用した司書のツイートのポイントは,「一日いても誰も何も言わないよ」とある点です。

 それは,公益社団法人「日本図書館協会」による「図書館の自由に関する宣言」(1979年改訂)において,「第3 図書館は利用者の秘密を守る」と謳われていることに由来しています。

【第3 図書館は利用者の秘密を守る】

1. 読者が何を読むかはその人のプライバシーに属することであり,図書館は,利用者の読書事実を外部に漏らさない。ただし,憲法第35条にもとづく令状を確認した場合は例外とする。

2. 図書館は,読書記録以外の図書館の利用事実に関しても,利用者のプライバシーを侵さない。

3. 利用者の読書事実,利用事実は,図書館が業務上知り得た秘密であって,図書館活動に従事するすべての人びとは,この秘密を守らなければならない。

 

 鎌倉市立図書館でも,この精神を尊んでいるそうで,小中学生が平日昼間に図書館にいても,声を掛けたり,学校に通報したりはしないといいます。当職は,この点を強調しておきたいのです。

 

 この点を捉えて,不登校を助長することにつながるのではないかという批判もあり得るところです。

 しかし,自殺という最悪の方法を選ぶくらいなら,学校に行くべきではないはずです。子どもらにとっては,学校以外にも生きる道があることを大人が示してあげるべきです。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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