弁護士ブログ

2016.02.19更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 法務省は,昨日平成28年2月18日の自民党法務部会において,①現在は「6か月」(180日)とされている女性の再婚禁止期間を「100日間」に改めるとともに,②離婚時に妊娠していなければ直ちに再婚を認める民法改正案の概要を明らかにしたそうです。

 後述するように,①の改正案は最高裁大法廷判決に沿ったものであり,予想通り極めて妥当であるといえますが,②の改正案は,最高裁大法廷判決よりさらに突っ込んだ内容となっており,「やるな,法務省」といった印象を受けます。

 

 もともと,再婚禁止の期間は,離婚した女性が産む子どもの父親が誰かを明確にするため,明治31年(1898年)に規定されたものを現行民法第733条が引き継いだ規定だったのですが,今回の改正案は,医学の進歩などを考慮して大幅に見直すことになったといえます。

 

 法務省は,現在行われている通常国会で,民法改正を目指し,3月には国会に法案を提出する予定だそうです。

 以前本ブログでも書きましたが,法務省はすでに運用を変更しています。

 最高裁大法廷は,昨年平成27年12月,女性の再婚禁止期間を定めている民法第733条第1項について,再婚までの期間が100日あれば,①離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子,②婚姻後200日後の子は現夫の子――ということとなり,嫡出推定が重ならないことから,100日を超える期間は「過剰な制約」であるとして,違憲と判断しました。この最高裁大法廷の違憲判決を受け,法務省は,離婚後100日を経過していれば婚姻届を受理するよう,全国の市区町村に対し,通知しています。

 

 このニュース報道は,日本国憲法の定める権力分立規定が健全に作用したことを裏付けています。これに対し,議員定数削減問題は,なかなか進展がありません。わずか10議席を削減することもできずにいるようです。主権者である国民は,心して政治を監視しなければなりません。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

2016.02.16更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 当職は,最近離婚調停や訴訟の案件が増えておりまして,先日ある事件に関し,テレビジョン放送でコメントを求められた際,「離婚問題に詳しい濵門俊也弁護士によれば…」などと紹介されておりました。日に日に新たに精進する毎日であります。

 先日ある調停事件に臨みましたところ,裁判官を含めた調停委員会から「本調停は『なさず』で終了させることもご検討ください」と言われました。これに対しては,「当方は誠実に応対しているのであるから,『なさず』との措置は承服できない」と回答しました。

 なかなか「なさず」とは聞きませんから,渋いなと唸りました。そこで,今回は,「調停事件の終了事由」について概説します。

 

 調停事件は,一定の事由が生じますと,以後,調停手続として調停をつづけることができなくなります。この場合,事件が係属していた家庭裁判所の手から離れることとなります。このことを「事件の終了」といいます。

 調停事件の終了事由としては,つぎの7つがあります。

 ① 「成立」(その調停について,当事者間で合意ができた)

 ② 「不成立」(当事者間に合意が成立する見込みがなくなった)

 ③ 「なさず」(裁判所としては,その事件を取り扱わないこととする)

 ④ 「取下げ」(調停の申立人が申立てそのものを取り下げてしまった)

 ⑤ 「当然終了」(調停の当事者が死亡した)

 ⑥ 「移送」「回付」(その事件を他の家庭裁判所の取扱いとする)

 ⑦ 「調停に代わる審判」(裁判所が審判で解決案を提示する)

 

 先ほど述べました「なさず」という終了事由は,調停をしない措置のことであり,家事事件手続法第271条に規定があります。

 すなわち,家事事件手続法第271条には,「調停委員会は,事件が性質上調停を行うのに適当でないと認めるとき,又は当事者が不当な目的でみだりに調停の申立てをしたと認めるときは,調停をしないものとして,家事調停事件を終了させることができる。」と規定されています。

 「事件が性質上調停を行うのに適当でないと認めるとき」とは,求めている調停の内容自体が法律や社会正義に反する場合,たとえば,不貞関係を継続することや認知しないことを条件に一定の金銭の支払をするなどを意味します。

 「当事者が不当な目的でみだりに調停の申立てをしたと認めるとき」とは,当事者双方が無断で調停期日に欠席を繰り返す場合や調停制度の趣旨に沿った利用をする意思がないことが明らかな場合です。

 「なさず」という終了事由は,いわば調停委員会が調停を行うことは適当でないとして,これを拒否することです。その意味において,かなり厳しい内容といえます。

 「なさず」という調停をしない措置は,裁判ではありません。よって,これに対する不服申立てはできません。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

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