弁護士ブログ

2015.11.20更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 元スーパーアイドルのメンバーで俳優のOさんが,女優のKさんとの間にもうけた長男(現在18歳)が実子ではないことの確認を求めた親子関係不存在確認訴訟において,東京家庭裁判所は,昨日平成27年11月19日,「原告と被告との間に親子関係が存在しないことを確認する」との判決を言い渡しました。婚姻から200日目に出生した長男は民法772条2項により親子関係が推定されず,DNA型鑑定でも生物学的父親ではないという結果があることから,Oさんの勝訴となりました。

 

 「200日」という数字が大きなポイントになっており,上記東京家庭裁判所は,民法772条2項の「200日後」の「後」について,200日目を含まないという見解を採用したこととなります。

 それでは,かりに長男が201日目に出生していれば,どうなっていたのでしょうか。この場合の長男は民法772条により嫡出の推定を受ける子ということとなりますが,そのような場合でも親子関係不存在確認の訴えが許されるのでしょうか。

 

 この点に関し,「夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否」が争われた事案について,最判平成26年7月17日民集第68巻6号547頁は,「夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,夫と妻が既に離婚して別居し,子が親権者である妻の下で監護されているという事情があっても,親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない。」旨判示しています。

 

 嫡出推定に関する現行民法の規定は,妻が婚姻中に懐胎した子を夫の子と推定し(民法772条1項),夫において子が嫡出であることを否認するためには,嫡出否認の訴えによらなければならず(同法775条),この訴えは,夫が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならない(同法777条)とされています。そして,このような嫡出推定に関する規定があることに伴い,父性の推定の重複を回避するための再婚禁止期間の規定(民法733条)及び父を定めることを目的とする訴えの規定(同法773条)が整備されています。

 

 このように,民法は,父子の法律関係を安定させるために,1年以内に限って,「嫡出否認の訴え」という特別の類型の訴えを認めているのみですから,もし,冒頭の事案において,長男が201日目以降に生まれていた場合には,「親子関係不存在確認の訴え」によって父子の法律上の親子関係がないことは確認できなかったわけです。 

投稿者: 弁護士濵門俊也

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