弁護士ブログ

2015.12.26更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 本日,当事務所は大掃除を行いました。昨日がクリスマス(東京の空は,夜にはすっかり晴れて,満月を拝むことができました。)であったことを忘れさせる行事となりました。

 午後1時30分ころ,来客があり,別れ際「よいお年を!」と声を掛け合いますと,いよいよ今年も終わりだなと感慨を深めた次第です。

 そして,先ほど当職宛に懐かしい人物からの手紙が届きました。当職が事件を担当した少年(当時)からの手紙でした。その少年が行った行為は重罪であり,少年事件から刑事事件(裁判員裁判対象事件)を行った後,民事事件も担当させていただきました。その少年もすでに20歳となったと手紙に書いてありました。手紙の筆致や内容からは,生来の素直で他人を「思いやる」優しい性格がにじみ出ており,しっかり更生していることが強く感じられました。

 

 「思いやる」とは,相手の立場や気持ちを理解しようとする心の意といえます。相手の心に寄り添い,言葉をかける。ただ,横に座っているだけでも,「最高の思いやり」となる時があります。相手の苦しみを知り,同苦する,同苦しようと努力する真心が,相手の心に伝わらないわけがありません。当職は「誠実な応対」を心がけています。

 

 今年は本当にいろいろな方からの法律相談を受けました。法律相談というよりは,人生相談のほうがふさわしいような相談も多数ありました。相談者の相談前と相談後のお顔がぱっと明るく変わった姿をみることこそが,弁護士冥利に尽きるといえます。まぁ何はともあれ,平穏無事に年末を迎えられていることを感謝したいと思います。

 

 大乗仏教では菩薩の精神が説かれます。「自分だけが」という自己中心性を乗り越え,他者を思い,自他共の幸福を築くという利他の精神が菩薩の精神です。「他人の不幸の上に自分の幸福を築くことはしない」という箴言がありますが,来年も菩薩の行動をとることができるか,今の自分に菩薩の精神がありやなしやを常に問う仕事に徹していく決意です。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.12.24更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 今日はクリスマス・イブです。東京は晴れですから,ホワイト・クリスマスとはならなさそうです。どなたに聴いても「今年の冬は暖かい」といいます。スキー場も大変そうです。そんな本日午前,以下の報道がありました。

 司法試験の出題内容を教え子に漏らしたとして,国家公務員法違反の罪(守秘義務違反)に問われた明治大学法科大学院元教授のA被告人(67歳)の判決の公判期日が,本日24日,東京地裁で開かれました。

 裁判所は「司法試験の公正さに対する信頼が大きく害された」と述べ,懲役1年,執行猶予5年(求刑懲役1年)の有罪判決をを言い渡しました。A被告人は起訴内容を認めていました。

 裁判所は,A被告が問題作成などを担当する「考査委員」の立場にありながら進んで問題を漏らし,その範囲も大きいと指摘し,「社会的影響も軽視できない」と述べたそうです。他方,「失職など社会的制裁を受けていることや年齢などを考慮すると執行猶予が相当」と判断したそうです。

 検察側は公判で,A被告人は交際していた20代女性(交際していたというのが,どうも引っかかります。まさに「真実は小説より奇なり」といえましょう。)を今年の司法試験で不正に合格させようと,作成に関わった憲法分野の試験問題を事前に伝え,答案を添削したなどと主張しました。A被告人は被告人質問で,女性が昨年の試験で不合格になったことに触れ,「自分の娘に泣かれているようで,何とかしたいと思った」と弁解していました。

 判決によりますと,A被告人は本年2月から5月までの間,自らの研究室などで数回にわたり,女性に司法試験の憲法分野の出題内容を漏らしたそうです。

 A被告人は,憲法分野の考査委員の取りまとめ役である「主査」の立場でした。同委員は非常勤の国家公務員で,守秘義務が課されていることから,本件に至ったわけです。

 

 A元教授は,その名前から「ブルー卿」と呼ばれていたそうです。67歳とのことですが,人生の集大成をなすべき時期となっての凋落とは…。しかし,過去を変えることはできませんが,過去の意味を変えることはできます。残りの人生をしっかり生きていただきたいと思います。

 

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投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.12.03更新

こんにちは。日本橋人形町の弁護士・濵門俊也(はまかど・としや)です。

 

 当職は,リアル書店でよく新刊等を物色するのですが,本を立ち読みしていると,時々携帯電話のカメラ機能のシャッター音が聞こえてくることがあります。このような,書店やコンビニエンスストアなどで,雑誌や書籍を買わずに,デジタルカメラなどでページ内を撮影し,情報だけを持ち帰ることを「デジタル万引き」というようです。「デジタル万引き」という名称は,日本雑誌協会や電気通信事業者協会が発案し,社会で使われるようになりました。

 「万引き」という言葉から,窃盗罪を想起される方もおられるかと思いますが,後述するとおり,デジタル万引きは通常の万引きのように窃盗罪には問われません。表現が行き過ぎとの指摘を受け,日本雑誌協会ではデジタル万引きという表現を使わないように自粛しています。

 ただ,窃盗罪には問われないとしても,違法行為に該当するのではないかとの疑問をもたれる方もおられるかと思います。そこで,今回は,「デジタル万引き」の違法性について説明します。

 

●窃盗罪は成立しない

 窃盗罪が成立するためには「財物」を窃取する必要があるとされます。そして,財物とは有体物であると解する説(有体性説)が有力です(有体性説によりますと,「電気」は「財物」には該当しないはずですが,刑法第245条は「財物とみなす」と規定しています。)。

 「デジタル万引き」は写真撮影しているだけであり,画像データとして記録されるものの,財物である「本」それ自体を窃取するわけではありません。

 よって,窃盗罪が成立することはないわけです。

 

●著作権法違反とはなるか?

 本の内容を勝手に撮影するということは,他人の著作物を許可なく複製する行為であるともいえます。そこで,著作権法違反とはならないでしょうか。

 著作権法は,私的利用のための複製については著作権者の許諾なくすることができるとしています。文化庁著作権課によると,基本的に私的複製として許されるとの見解を示しております(購入してない本ですから,若干疑問は残りますが。)。

 もちろん,撮影した写真等をインターネット上に公開したり,配信したりしている場合は,私的複製の範囲を超えるため著作権法違反となります。

 

●建造物侵入罪が成立する可能性

 本屋は「デジタル万引き」を禁止しているところが多いです。本屋からすれば本が売れなくなることとなり,迷惑行為に該当しますから当然の対応といえるでしょう。

 本屋からすれば「デジタル万引き」を目的で来店するような人物は「お客さま」とは呼べません。そのような不当な目的であることを知っていれば,本屋としては入店を断るはずです。

 そのため,理論上は,「デジタル万引き」目的で本屋内に入った場合,建造物侵入罪が成立し得るのではないかと思います(私見)。

 ちなみに,「デジタル万引き」と類似した行為として,映画館で映画を撮影する行為等がありますが,かかる行為は法律によって禁止されています(映画館の予告編で必ず流れるあれです。)。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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