Q & A

2015.12.12更新

夫のネットゲームのアカウントを消したら、激怒して離婚を申し込まれたーー。結婚したばかりの女友達から、そんな報告があったことを紹介するツイートが2万回以上リツイートされ、話題になった。

 

投稿者によると、女友達は仕事に集中してほしいと考え、夫が遊んでいるネットゲームのアカウントを消したそうだ。激怒する夫をみて、取り返しがつかないことをしたと考えたのか、投稿者に助けを求めてきたのだという。

 

投稿者は、ネットゲームのアカウントは、所有者にとっては財産だとして、夫婦間であっても人の財産を勝手に処分することにやめるよう忠告したという。ネットゲームのアカウントを勝手に処分することは、法的に問題なのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

 

●法律上の財産は、形のあるモノであることが原則
 

「いくら夫婦でも、夫(妻)の財産を勝手に処分することは刑法上、器物損壊罪に該当し得る行為ですし、民法上の損害賠償請求の対象となり得ます」

 

濵門弁護士はこのように切り出した。ゲームのアカウントは財産になるのだろうか。

 

「ネットゲームのアカウントが財産に含まれるかは、法律上微妙な問題を含みます。というのも、民法上の財物(財産)は、『有体物』つまり、形あるモノと定義されているからです。

 

ネットゲームのアカウントは有体物ではありませんから『財物』には当たりませんし、器物損壊罪の適用は困難です。

 

ただし、勝手に他人のアカウントでネットゲームにログインすることは、不正アクセス禁止法に触れる可能性があります」

 

ネットオークションなどで、現実のお金とネットゲームのアイテムを売買しているケースもある。ゲームのアカウントが財物でないとしたら、ゲーム内で手に入れるアイテムなども、やはり財物ではないのだろうか。

 

「そうですね。ゲーム内のアイテムを勝手に処分したとしても、ゲーム内のアイテムも有体物ではありませんから、やはり財物とはいえません。

 

また、現実的にも、ネットゲームは、次々と新しいゲームが生まれ、また、古いものは閉鎖されていきます。それなのに、ゲームを閉鎖する際に、プレーヤーが『財物』としてのアイテムの所有権を主張し出したとしたら、収拾がつかなくなることは火を見るより明らかです」

 

●「ネットゲームのアカウントに財産性を認めるべきかは慎重に対応すべき」
 

ゲームのアカウントやアイテムを処分されても、法的には何もできないということだろうか。

 

「実際には、次のような事例もあります。

 

民事の争いでは、被害者(40代男性)からID及びパスワードを詐取し、そのID及びパスワードを一般公開したため、希少なゲーム内のアイテムなどが勝手に処分されたというケースでは、慰謝料等が認められました(和解で終結)。

 

また、刑事事件でも、『ゲーム内仮想通貨(ポイント)でアイテムの代金を支払う』と持ちかけ、アイテム(1300円相当)を受け取ったが、支払わずに接続を切ったという事案において、詐欺罪を認めた判決(執行猶予付きの有罪判決)があります。

 

ただ、私としては、ネットゲームのアカウントやアイテムの財産性を認めることには慎重に対応すべきと思います。

 

もちろん、本投稿のような事態が生じる可能性は否定できず、何かしらの対処は必要だと思います。当面は、不正アクセス禁止法違反の量刑を重くするなどして対応する方法が現実的かと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.11.11更新

 日本郵便四国支社は11月9日、香川県三豊市の高瀬郵便局で働く配達担当の女性社員(23)が、約2万9000通の郵便物を配達しないで隠していたことを発表した。同支社の広報担当は弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「まだ警察に相談している段階だが、郵便法77条に違反するとして被害届を出す可能性がある」と話した。

 

 女性社員は2013年12月ころから2015年11月7日まで、担当エリアの郵便物を配達せず、自宅や通勤用の自家用車、職場のロッカーなどに隠していたという。郵便物のほとんどは企業が出すダイレクトメールで、書留などは含まれていない。郵便物に損傷はなく、開封した形跡もないそうだ。日本郵便四国支社がすべての郵便物を回収し、調査が終わりしだい、受け取り人に配達する予定だという。

 

 女性社員は2010年に採用され、勤務歴は5年7カ月に及ぶ。同支社は、女性の勤務態度について、「特に問題はなかったと聞いている。郵便物を隠した動機は『やる気がなくなったから』ということで、仕事やプライベートでのストレスがあったようだ。調査結果を受けて、社内規定に基づいて処分する」という。

 

 今回のように、配達が遅れたことで、郵便物を受け取る人に何らかの損害が発生した場合、日本郵便は賠償責任を負うのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

 

●「日本郵便に賠償の責任はない」
 

 「郵便法では、損害賠償の対象となる郵便物の種類や範囲が細かく決められています。それによると、現金書留や簡易書留は、損害賠償の対象になります。しかし、今回のような通常の郵便物については、配達局員が隠して配達せず、何らかの損害を生じさせても、日本郵便に賠償の責任はありません」

 

 濵門弁護士はこのように説明する。なぜ郵便物を隠しても、賠償責任がないのだろうか。

 

 「仮に、一般企業と同じような損害賠償責任を日本郵便に負わせると、リスクに備えるため、料金を引き上げたり、配達局員がもっと慎重に配達業務をせざるを得なくなります。

 

 郵便事業は『なるべく安い料金で、あまねく、公平に提供すること』(郵便法1条)を目的としています。もし、リスクに備えて料金を値上げしたり、配達に時間がかかるようになると、その目的を果たせなくなるおそれがあります。

 

 そのため、民営化された現在も、郵便事業は、損害賠償を一部免責されているわけです」

 

●配達局員個人には請求できるのか?
 

 では、日本郵便への損害賠償請求ができないとしても、配達局員個人に対して、賠償を請求できないのだろうか?

 

 「この点については、民営化によって、個人を訴えることが理論的には可能となりました。

 

 しかし、配達局員個人の賠償責任を認めると、配達局員という職業のリスクが高まって、結局は、郵便法1条の趣旨に反することになります。

 

 配達局員個人に対し損害賠償を請求できるかどうかは、解釈が分かれるでしょう」

 

●配達局員の刑事責任は?
 

 日本郵便四国支社は「まだ警察に相談している段階だが、郵便法77条に違反するとして被害届を出す可能性がある」と話している。郵便法77条とは、どのような規定なのか?

 

 「郵便法77条は、『郵便物を開く事の罪』として、『会社の取扱中に係る郵便物を正当の事由なく開き、き損し、隠匿し、放棄し、又は受取人でない者に交付した者は、これを3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。ただし、刑法の罪に触れるときは、その行為者は、同法の罪と比較して、重きに従つて処断する』と規定しています。

 

 今回のケースは、この規定の『隠匿し』という部分にあたると考えられます。

 

 先に述べたように、配達局員個人の賠償責任は解釈上問題があり得ますが、刑事責任については、負う場合があります」

 

 濵門弁護士はこのように述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.10.26更新


「○○左衛門」のような「古さ」を感じさせる名前を、自分の子どもにつけようとする親がいるという。そんな名前のことを「キラキラネーム」ならぬ「シワシワネーム」と呼ぶらしいが、このシワシワネームをめぐって、夫婦で揉めているという相談が、ネットの掲示板に寄せられていた。

 

投稿者である夫は、いわゆる入り婿。妻の一族はみな古風な名前をつける風習らしく、妻は「キラキラネームだのなんだの気にしすぎ」と、シワシワネーム命名を譲らないという。相談者は「婿に人権はないのか。子どもの名前くらい父親につけさせろ」と反発している。

 

はたして相談者は、自分の子どもに「シワシワネーム」が名づけられるのを止めることができるだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

 

●シワシワネームは阻止できる
 

「実は、子に名をつける権利、つまり『命名権』が誰にあるのかということについては、民法はもちろんのこと、戸籍法にも規定がありません。しかし、戸籍法52条が出生届出義務者を父母と定めていることから、父母が命名して出生届出を行うことを当然の前提としていると考えられます。

 

人の名に関しては、戸籍法50条1項が、『子の名には、常用平易な文字を用いなければならない』と規定しています。また、その文字については、戸籍法施行規則60条が、常用漢字、人名用漢字、変体仮名を除く平仮名又は片仮名の使用に限定し、一定の制限を付けているのみです。

 

つまり、名づけの『漢字』以外は、直接の法的規制が存在しないのです。つまり、父母は命名権を、原則として自由に行使できます。ですから、子への命名は、キラキラだろうがシワシワだろうが、まさに親の常識的判断に委ねるしかありません」

 

では、相談者は、シワシワネーム命名を止めることができるだろうか。

 

「はい。相談者もお子さんの『父』ですから、シワシワネームは阻止できます。もし、もう役所へ出生届が出された後で、なおかつ、どうしても納得できない場合は、改名を申し立てることとなります。『正当な事由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない』(戸籍法107条の2)とされています。

 

相談者のケースでは、名づけられたシワシワネームが『いじめや差別を助長する、珍奇な名前』といえ『正当な事由』があると認められるかどうかの判断にかかってきます」

 

濵門弁護士はこのように話していた。

 

(弁護士ドットコムニュース)

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.08.17更新

夫が、携帯やPCで若い女性とのやりとりに夢中になっているーーネット上の掲示板に、女性からこんな悩みが寄せられた。夫はLINEなどで、見知らぬ女性と写真やメッセージを頻繁にやりとりしているのだという。

 

夫がLINEの送信先を誤り、「写真まだぁ?(鼻息の荒いスタンプ)」など、女性あてとみられるLINEメッセージが送られてきたこともあるという。夫の携帯電話やパソコンを見たら、高校生にみえる女子が制服をまくりあげたような「みだらな写真」もあった。

 

このような「チャット行為」をやめさせたいと思っているが、夫は「風俗に行くより安い」「浮気じゃなく単なる趣味の範囲」などと言い張っているそうだ。投稿者の女性は、半年ほど前に死産を経験しており、その際の手術が原因で、性行為ができない状態だという。

 

投稿者は、知らない女性とチャット行為をしている夫が気持ち悪く、離婚も視野にいれているという。ただ、夫は相手の女性と写真やメッセージのやりとりをしているだけで、身体の関係はない。こうした場合でも、離婚事由になるのだろうか。男女の法律問題にくわしい濵門俊也弁護士に聞いた。

 

●身体の関係がなくても「離婚原因」になる?
 

「民法には、離婚原因の一つとして『不貞行為』があげられています。そのポイントは、肉体関係、つまり『性的行為』があったかどうかという点です。そうしますと、出会い系サイトやビデオチャットで性的なデータをやりとりするだけなら、不貞行為にはなりません」

 

濵門弁護士はこのように切り出した。

 

「ただし、奥様が『そんなものにハマるような旦那とは一緒に暮らせないわ!』と感じたら、離婚原因になることもあり得ます。旦那さんはチャットが発覚すると開き直り、死産で心身ともに辛い奥様に対して『風俗に行くより安い』などと暴言を吐き、話し合いもできない状況のようです。

 

結果として、不貞行為そのものには該当しなくても、『婚姻関係を継続し難い重大な事由』(民法770条1項5号)にあたるとして、結局は、離婚が認められる可能性があります。

 

最近では、SNS等による出会いをきっかけとして、不倫や浮気に走る人も少なくないようです。今回のようなチャットが不倫や浮気の温床となるおそれも高いでしょう」

 

●道徳的な「不貞」と法律上の「不貞行為」は同じではない
 

肉体関係がなくても、チャット上で性的なデータのやりとりをしていれば、妻の心情的には「不貞行為」と思いたくなるかもしれない。

 

「道徳的に『不貞』とされる行為と、法的保護に値する『不貞行為』とは異なります。

 

あくまでも法律は、道徳的に不貞とされる行為のうち、夫が妻以外の女性とホテルで肉体関係をもったなど、『だれがどう見ても、慰謝料を認めてあげなければ、被害者が本当にかわいそうである』という行為に対して、損害賠償責任を認めています。

 

ただし、肉体関係がなくても、場合によっては離婚原因となり、慰謝料を支払うことになる可能性もあります。法律上の不貞行為にあたらなければ何をやってもいいなどと思っていると、とんだしっぺ返しをくらうことがあることを肝に銘じておくべきです」

(弁護士ドットコムニュース)

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.08.07更新

たとえば,脇見運転をしていたため先行車に追突してしまい,幸いにして人身損害はなく車両損害だけだった場合には,「物損事故」として処理されます。

道路交通法による交通事故の定義によりますと,人の死傷がなく器物の損壊のみの場合を「物損事故」としています。刑事処分及び行政処分において事故として記録されるのは,「人身事故」であり,人的被害を起こさない「物損事故」や「自損事故」は行政処分上においては事故扱いとはなりません。免許の取消し・停止処分の基礎となる点数計算においては,「人身事故」及び「建造物損壊事故」の場合にだけ付加点数が付きます。すなわち,「無事故無違反」の無事故とは「人身事故」がゼロという意味であり,通常の「物損事故」では点数は加算されません。

このように,点数の計算において無事故となるならば,事故を起こしていないということと同じになるわけです。無違反とは道路交通法違反がないということですから、道路交通法違反がない場合は無違反となります。

ただし,「物損事故」の場合,いくら被害が大きくても自賠責保険は適用されませんので,すべて任意保険から賠償されることになります。

「人身事故」の場合は、自動車損害賠償保障法が適用されますが,「物損事故」の場合は適用されません。

よって,「物損事故」の場合は任意保険の対物で補償されるか、対物保険で補償されない損害については,民法第709条の不法行為の規定が適用され,これによって生じた損害を賠償する責任を負うこととなります。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.07.03更新

A3 重要なところでは,

 

① 申立書の写しの原則送付

② 審判における当事者からの謄写閲覧請求は原則許可

③ 陳述の聴取が必要的になったこと

④ 子どもなど審判の結果により影響を受ける者の手続保障がなされたこと

⑤ 電話会議テレビ会議システム利用の手続を認めたこと

 

です。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.07.03更新

A3 具体的に見直されたポイントは主に次の点です。

 

・当事者等の手続保障を図るための制度を充実させること

・家事事件の手続を国民にとって,より利用しやすいものとすること

・手続の基本的事項を整備すること

 

当事者に手続の適正を保障し,また手続の透明性の確保をすることによって,当事者に主体的に紛争を解決しようという紛争解決に向けた意欲を高めてもらうことを目指しています。必要な情報をお互いに認識した上で,自らの判断によって,主体的自律的に紛争解決してもらうことを期待しているともいえます。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.07.03更新

A1 家事事件手続法とは,家事事件の手続を定める法律です。

ここに,家事事件とは,夫婦間の紛争や成年後見など家庭に関する事件のことをいい,家事審判に関する事件と家事調停に関する事件に分けられます。

審判とは,審判官(裁判官)が,両当事者の言い分や様々な資料に基づいて判断し,決定する手続です。

他方,調停とは,裁判官1人と調停委員2人以上で構成される調停委員会が,当事者双方から言い分を十分に聴きながら,話合いを行う手続です。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.07.01更新

A それは「認定死亡」といわれるものです。

水難,火災その他の事変によって,死亡したのは確実であるが,遺体が見つからないという場合があります。

このような場合に,その取調べにあたった役所(海上保安庁,警察署長など)が死亡の認定をして,戸籍上一応死亡として扱います。本籍地の市区町村では,死亡報告に基づいて戸籍に死亡の旨記載します。これを「認定死亡」というのです。

この場合,正確な死亡時刻は分からないため,戸籍には「推定午後○時」などと記載されます。

認定死亡の記載は,反証のない限り戸籍記載の死亡の日時に死亡したものと推定されます。

認定死亡は戸籍手続上の必要から官公署が死亡の事実を確認するものにすぎないため,後日,本人が生きていたことが分かったり,死亡日時が判明した場合には,戸籍の訂正が行われることとなります。

認定死亡によって,死亡したのと同じように扱われ,相続が開始し,また配偶者は再婚することができます。

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.06.26更新

A 支払督促は,金銭の支払又は有価証券若しくは代替物の引渡しを求める場合に限ります。

相手方の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に申し立てます。

書類審査のみなので,訴訟の場合のように審理のために裁判所に出頭する必要はありません。

手数料は,訴訟の場合の半額です。

債務者が支払督促に対し異議を申し立てると,請求額に応じ,地方裁判所又は簡易裁判所の民事訴訟の手続に移行します。

金銭,有価証券,その他の代替物の給付に係る請求について,債権者の申立てにより,その主張から請求に理由があると認められる場合に,支払督促を発する手続であり,債務者が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議の申立てをしなければ,裁判所は,債権者の申立てにより,支払督促に仮執行宣言を付さなければならず,債権者はこれに基づいて強制執行の申立てをすることができます。

なお,支払督促に対する異議の申立期間は,支払督促に仮執行宣言が付されるまでです。また,仮執行宣言の付された支払督促に対する異議の申立期間は,仮執行宣言の付された支払督促を受け取ってから2週間以内です。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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