Q & A

2015.06.18更新

滞納している税金が100万円以上、カードの借金も200万円近い——。そんな「借金だらけの夫」と離婚したいという女性が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーに質問を寄せた。

 

夫は、自営業のため収入はまちまちで、月収は10万円あるかどうか。相談者の女性も働いているが「月10万円ない状態」で、2人の収入から子供の学費や食費、生命保険、携帯電話代等を支払うと、家計は火の車だ。そのため、カードでお金を借り、生活費にあてている状態だという。

 

相談者は「これ以上一緒にいても生活困窮するだけです」と話し、離婚を考えている。しかし、夫は離婚にも別居にも同意しない。相談者は「これから先の生活の見通しが全くたたない」と嘆いているが、夫の借金を理由に、離婚することができるのだろうか? 濵門俊也弁護士に聞いた。

 

●「夫の借金」を理由に離婚できる?
 

「まず結論から述べますと、単に『夫に借金があるから』という理由だけでは、離婚は認められません」

 

濵門弁護士はこのように切り出した。

 

「今回のケースでは、旦那さんが離婚にも別居にも同意しないということですので、夫婦2人で話し合って離婚することは難しそうです。そうすると、奥さまとしては、家庭裁判所に離婚の調停を申し立てる必要があります。我が国の制度は『調停前置主義』を採っているからです。

 

調停とは、第三者が当事者の間に入り、紛争解決に向けて話し合うことです。調停離婚においては、とくに離婚の理由を制限していませんから、本件のように借金を理由とする申立てもできます」

 

調停でも解決しない場合は、どうすればいいのだろうか。

 

「離婚調停は、あくまでも話合いでの解決を目的とした場でしかありませんから、話し合いがまとまらなければ、調停が不成立となるだけです。旦那さんが離婚することを拒否し続けた場合、最終的には、訴訟手続で決着を付ける必要があります。

 

裁判所に離婚を認めてもらうためには、民法770条1項各号が定める離婚原因、つまり、『不貞行為』『悪意の遺棄』『3年以上の生死不明』『回復の見込みのない強度の精神病』『その他婚姻を継続し難い重大事由』を理由とする訴訟提起でなければなりません」

 

夫が借金をしていることは、民法で定める離婚原因に含まれるのだろうか。

 

「夫の借金を理由とする場合は、通常『婚姻を継続し難い重大な事由』に該当するとして離婚訴訟に臨みますが、裁判例をみても、配偶者の借金のみを理由に離婚を認めた事案はありません。

 

裁判例の多くは、借金があっただけではなく、借金を原因として夫婦生活が破綻するに至ったことを重要な判断材料としているように思います。単なる『夫の借金』だけでは、夫婦関係が破綻しているとはいえず、請求が棄却されると考えられます」

投稿者: 弁護士濵門俊也

2015.06.08更新

A 民法第761条は,つぎのような規定をおいています。

「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と取引をしたときは,他の一方は,これによって生じた債務について,連帯してその責任を負う。ただし,第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は,この限りでない。」

 

借金が日常家事債務に属すると判断されるかどうかは,金額の多寡や実際に日常の家事に属する目的に充当されたかどうかによるところが大きいとされています。

よくご相談に来られるのですが,いわゆる消費者金融からの借入れ等は,一般的には日常家事債務には該当しないです。婚姻中はもちろん,離婚後も支払う義務があります。

投稿者: 弁護士濵門俊也

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