Q & A

2015.10.26更新


「○○左衛門」のような「古さ」を感じさせる名前を、自分の子どもにつけようとする親がいるという。そんな名前のことを「キラキラネーム」ならぬ「シワシワネーム」と呼ぶらしいが、このシワシワネームをめぐって、夫婦で揉めているという相談が、ネットの掲示板に寄せられていた。

 

投稿者である夫は、いわゆる入り婿。妻の一族はみな古風な名前をつける風習らしく、妻は「キラキラネームだのなんだの気にしすぎ」と、シワシワネーム命名を譲らないという。相談者は「婿に人権はないのか。子どもの名前くらい父親につけさせろ」と反発している。

 

はたして相談者は、自分の子どもに「シワシワネーム」が名づけられるのを止めることができるだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

 

●シワシワネームは阻止できる
 

「実は、子に名をつける権利、つまり『命名権』が誰にあるのかということについては、民法はもちろんのこと、戸籍法にも規定がありません。しかし、戸籍法52条が出生届出義務者を父母と定めていることから、父母が命名して出生届出を行うことを当然の前提としていると考えられます。

 

人の名に関しては、戸籍法50条1項が、『子の名には、常用平易な文字を用いなければならない』と規定しています。また、その文字については、戸籍法施行規則60条が、常用漢字、人名用漢字、変体仮名を除く平仮名又は片仮名の使用に限定し、一定の制限を付けているのみです。

 

つまり、名づけの『漢字』以外は、直接の法的規制が存在しないのです。つまり、父母は命名権を、原則として自由に行使できます。ですから、子への命名は、キラキラだろうがシワシワだろうが、まさに親の常識的判断に委ねるしかありません」

 

では、相談者は、シワシワネーム命名を止めることができるだろうか。

 

「はい。相談者もお子さんの『父』ですから、シワシワネームは阻止できます。もし、もう役所へ出生届が出された後で、なおかつ、どうしても納得できない場合は、改名を申し立てることとなります。『正当な事由によって名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない』(戸籍法107条の2)とされています。

 

相談者のケースでは、名づけられたシワシワネームが『いじめや差別を助長する、珍奇な名前』といえ『正当な事由』があると認められるかどうかの判断にかかってきます」

 

濵門弁護士はこのように話していた。

 

(弁護士ドットコムニュース)

投稿者: 弁護士濵門俊也

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